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【金利で景気を予測】長期・短期金利の関係

こんにちは。Gigantic Enginnerです。

ニュースを見ていると、「マーケット情報です。」という案内の後、株式、為替と併せて金利を紹介しますよね。

この時、

「金利って聞いてどうするんだ?

って思ったことありませんか?

株式は日経平均やNASDAQなど、会社の株価の話を知てるんだな~となんとなく想像できると思います。

為替も円高・円安によって仕入れコストが変わったり輸出産業が有利になる、というような考察ができます。

金利も経済・投資の話をする上で重要で、金利を理解することでニュースの情報の理解も深まります

金利の重要性、投資をする上での金利の見方についてはこちらで紹介しましたのでぜひご覧ください。

長期金利?短期金利?金利を見ると何がわかるの?

今回はマーケット情報で重要な長期金利と短期金利の関係性について深掘りしてお話していきます。

それぞれ単独で活用することも可能ですが、2つの関係性を知ることでより多くの市場情報を読み取ることができます。

長期金利と短期金利の関係

どっちが先に予測する?

以前の記事金利は将来の景気を予測して変動する、と説明しました。

それでは、先に変動するのはどちらでしょうか。

問題

20XX年にに景気が良くなりました。数年前にこの景気上昇をを察知して先に上昇に転じたのは長期金利・短期金利どちらでしょう。

答え

長期金利

なぜ、長期金利のほうが早く動くのか

その理由は、長期金利は将来の短期金利を予測して決まるからです。

期間の異なる国債(金利が異なる国債)を同じ期間運用した時に、最終的な運用結果が大きく乖離してしまうと金融商品として不適格になってしまいます。

なので期間が異なっても最終的な金利は一致することが望ましいです。

例を使って説明します。

2023年からAとB2つの国債で10年間運用したとします。

例:2種類の国債を10年間運用する

A:2年物国債を5回に分けて運用

B:10年もの国債を1回のみで運用

それぞれの国債を図に示すとこんな感じです。

A:2年物国債を5回

2年ごとに債券の購入と償還を繰り返します。2023年に購入した債券は2025年に償還し、そのまま2025年にその年の2年物国債を購入し2027年に償還する、といったカンジです。

運用開始時点の2023年の金利は6%で決定していますが、2025年以降の4回分の金利はそれぞれの年になってみないとわかりません。

なので、10年間で運用した時の平均金利もわかりません。

B:10年もの国債を1回

2023年に購入し、10年間保有して2033年に償還します。

2023年時点で10年物国債の金利は決まっているので(ここでは5%)、その金利で10年間運用します。

10年後の2033年時に、2年物国債の平均金利と10年物国債の金利に大きな乖離があってはならないので、2023年における10年物国債の金利は、2025年~2033年の2年物国債の金利を予想した上で決まるのです。

長期金利と短期金利は関係性がある

このように、長期金利と短期金利は独立して動いているのではなく、関係性があります。

なので金利はどちらか一方だけではなく、両方見るようにしましょう。

長期・短期金利”差”から景気減速を予測

それぞれの金利を見ることで景気を予測することができますが、各償還期間ごとの金利を組み合わせてみることでさらに多くの情報を得ることができ、予測の精度が上がります。

いろんな期間の金利をみる・・・イールドカーブ

上の例では2つの償還期間の金利を用いましたが、イールドカーブを見れば短期から長期の各償還期間ごとの金利をチェックできます。

イールドカーブとは?

縦軸に金利、横軸に償還期間をとり、各償還期間ごとの金利を折れ線グラフにしたもの。

あるタイミングの金利が一覧で閲覧可能。

償還期間が長い方(下図の右側)がお金を貸すリスクが大きいためその分のリターンが必要になる。

そのため、償還期間が長いほど金利は高くなる。(これを”順イールドと呼ぶ”)

2000年1月日本のイールドカーブ(順イールド)(日経電子版より引用)

イールドカーブの形から金利差を見る

イールドカーブはアメリカの2004年4月と2007年2月のもの(日経電子版より引用)

基本的に償還期間が長いほうが金利が高い”順イールド”の状態であるが、償還期間が短い金利が高く、長い金利が短くなるときがあります。

この状態を”逆イールド”と呼びます。

イールドカーブはどう変化する?

  • 順イールドの状態が続くと景気が拡大、物価も上昇する
  • 過度な物価上昇を防ぐために中央銀行は金融引き締めとして政策金利(短期金利)を引き上げる
  • これまでプラスだった長短金利差は小さくなる
  • 長短金利差の縮小を見た市場が”景気が落ち着いてきている”と判断し長期金利に反映される
  • 長期金利が低下し長短金利差はマイナス、すなわち逆イールドとなり景気減速が進む

このように、イールドカーブを見ることで複数の償還期間の金利間で比較が可能です。

それぞれの金利を独立して見るだけでなく他の金利との連動した動きを見ることで景気予測の精度が上がります

最後に

いかがでしたでしょうか。

ニュースや新聞で金利の話を聞いてもどんな意味があるのか分からずスルーしてる人も多いと思います。

しかし、将来の景気を予測するためにかなり有効な情報なんです。

これからは、金利に対するアンテナが少し高くなったのではないでしょうか。

イールドカーブまでは日々のニュースで取り扱う場面は少ないですが、日経電子版では日本とアメリカの金利をイールドカーブに時間軸を取り入れて過去のイールドカーブが見やすくチェックできるコンテンツもあります。

こういうツールをうまく使いながら自力で経済を読み解けるといいんじゃないでしょうか。

それでは。

  • この記事を書いた人

Gigantic Engineer

30歳*男性*関東出身*関東住*家族3人暮らし メーカーで設計職をしています。 社会人になってから保険、税金、投資などお金の問題に直面しました。 独学でつみたてNISAと米国株投資を開始。 ”投資”、”暮らしとお金”に関する内容を中心に投稿します。 私自身、お金の知識がなく色々な問題に直面してきました。 同じ苦労をする人が一人でも減ってほしい、と思いブログを始めました。

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