こんにちは。Gigantic Enginnerです。
先日、市の消防署が主催する上級救命講習に参加しました。
以前に住んでいた地域でも開催されているのは知っていましたが、平日開催が多くなかなか参加できませんでした。
現在育休中ということもあり、平日でも時間を作りやすかったため今回参加しました。
基本的に、各自治体で開催されているので「〇〇(自治体名) 救命講習」で検索すると見つかると思います。
参加した講習
- 主催:消防署
- 案内:市発行の広報誌の後ろの方に記載
- 費用:ゼロ
- 申込:市のホームページから
- 持物:鉛筆、受講証明書(eラーニング受講のみ)
- 時間:9:00~15:00(講義に参加する前までに各自eラーニングを受講する。eラーニングは1.5時間程度。)
- 場所:市内の消防署
- 内容:成人・幼児・乳児の心肺蘇生法。様々なシチュエーションでの対応方法。(eラーニングでは止血や骨折の手当、保温なども網羅)
- 人数:6人グループ×3グループ=18人(おじいちゃん、保育園の先生、JKと母の親子、大学生、会社の上司と部下らしき人、など)
同じ上級救命講習でも一部eラーニングのものと、全部対面講習の2パターンがありました。
eラーニングの場合、消防庁が出しているWEB講習HPから60近くの動画を視聴し、最後に確認テストがあります。
一つ一つは1~8分程度ですが数が多いので操作する時間も含めると1.5時間くらいです。
テストに合格すると受講証明書が発行されて、eラーニング受講の証明となります。
わたしが受けた講習では受講証明書が必須でした。
自治体によって講習の呼び方やラインナップは微妙に異なりますが殆どの場合、「普通救命講習」と「上級救命講習」があります。
普通救命講習は自動車の免許講習でも受けるので経験した事がある人は多いと思います。
心肺蘇生の普通救命講習、子供に特化した普通救命講習、固定や止血の普通救命講習、など項目ごとに選ぶのに対して上級救命講習は全てを網羅して受けられます。その分、時間も長くなるのです。
講習内容
- 普通救命講習・・・心肺蘇生法・AED・異物除去、止血、固定方法熱中症、保温などを分けて受講
- 上級救命講習・・・心肺蘇生法・AED・異物除去(成人・小児・乳児・新生児対象)、止血、固定方法、熱中症、保温全て網羅
積極的な参加者による中身の濃い講習
今回参加してみて一番感じたことは、参加者の意識が高いことです。
みなさん、何かしらの理由や意思を持って参加されているので救命が必要な状況を自分事、としてとらえています。
なので、質問の量がすごく多かったです。
なにか説明があるたびに、
「こどもの場合ははどうするんですか?」
「人がいない時は何を優先すればいいですか?」
などあらゆる状況を想定した質問が飛び交っていました。
普通救命講習でも救護車を見つけてから救急隊が到着するまでの流れを訓練しますが、中身の濃さが全然違いました。
多くの質問を一緒に聞くことで、多様なシチュエーションを想定した説明を聞くことができました。
この経験は、自発的に参加したからこそ、だと思います。
とにもかくにも心臓マッサージ
おさらいがてら、救護者を見つけた時のフローチャートを作ってみました。
まず意識があるか否か、で救急車の判断をして、次に呼吸で心臓マッサージの判断をします。
救命でも情報は更新されているようで、現在は脈は見ないそうです。
この講習を通して一番印象に残っているのが、とにもかくにも心臓マッサージ(胸骨圧迫)です。
心臓マッサージも、AEDも、人工呼吸も目的は皆同じで脳に血液が行かない時間を無くすことです。
AEDは最近の建物や施設であればどこかしらにあると思いますが、近くに無い場合もあります。
そんな時は無理に探し回るより、人工呼吸の人手に回したほうがいい、とのことです。
人工呼吸も強制ではなく、救助する側に判断が委ねられています。
感染症のリスクなど、何かしらが原因で人工呼吸をためらう場合はしなくていいのです。
救助する側の安全も大切、ということです。
身内や友人であればするけれど、全く知らない人でったらしないかな~というのが私の考えです。
ちなみに、講師の方も「プライベートではおそらく人工呼吸はしない」と話していました。
さらに、人工呼吸はする場合、うまくできなくても2回まで、だそうです。
人工呼吸に手こずって心臓マッサージをしない時間が長くなってしまうのを防ぐためです。
このように、AEDと人工呼吸はするほうがベターではあるがこだわりすぎない、が大事です。
一方、AEDが無くても、人工呼吸はしなくても、心臓マッサージは絶対しなければなりません。
始めてから、救急隊が到着するまでひたすら続けます。
救急車が見えたから、来たから、といってそこで止めてはいけません。
救急隊が降りてきて、自分の側にきて、指示があるまではやり続けるのです。
では、119番に電話してどのくらいの時間で救急は到着するのでしょうか。
こちらは消防庁が出している資料です。
講習でも説明がありましたが、救急車が到着する時間は9分(全国平均)です。(青線)
心臓マッサージは成人男性でも連続で2分が限界だそうです。
助ける時は交代で回すためにもなるべく人が多いほうがいいですね。
最後に
時間が経つと忘れてしまったり、情報の更新があるため2~3年で定期的な受講が推奨されています。
自分が救命する状況に遭遇する可能性は低いかもしれません。
なんなら、一回も遭わずに人生を終える人もいると思います。
その万が一が自分の大切な人かもしれません。
タダで大切な人を救える、と考えればある意味最強の自己投資ではないでしょうか。
医者じゃないのに人の命を救えるってすごいスキルだと思います。
一日がかりで少し大変ですが、受ける価値は十分にあると思います。
人のために、大切な人のために受けてみてはどうでしょうか。
それでは。